少なくとも製造業に関する限り、日本型雇用システムはその競争優位を失った、あるいは失うであろうといった議論を退けることができる。むしろ確かなことは、日本型雇用システムを放棄すれば、これまでの競争優位は消失するということである。これに関連して、金融業に関してやはり述べておく必要がある。雇用情勢のさらなる悪化が確実に予想されるのは金融業においてであり、その雇用システムがとりわけコストの増大とパフォーマンスの低下に見舞われていることは間違いない。
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規制と保護が破棄されたことはもちろんのこと、その市場環境と技術環境は急速に変化し、日本の金融業は競争劣位の状態に追い詰められている。ゆえに、コストの削減とパフォーマンスの向上のための制度変更が急激に進むことは当然予想される。その帰趨を見通すことは不可能であるとしても、ただ次のような指摘は可能かもしれない。つまり日本の製造業は、戦前より欧米の企業と技術提携を結び、あるいは技術料を払って製品化の努力を傾けてきた。それは六〇年代の後半のキャッチアップまで続いたのであり、この過程そしてその後の環境条件の変化に対する適応の過程を通じて、今日に至る日本型雇用システムを形成したのであった。